soyogo編集部
日本印刷株式会社のsoyogo編集部を中心に構成されたチームです。最終的に何人になるかは未定。
訪問した書店:青山ブックセンター
ジャケ買いしたひと:dao-dao
どこに需要があるのかよく分からずに始めてしまった「ジャケ買い」企画、この日やってきたのは表参道にある青山ブックセンターです。
今回の担当は、日本印刷でsoyogoを運営したり、大型本を作ろうとしているdao-daoです。最近はなかなか本を読む時間が取れませんが、先日夏風邪で寝込んだときはKindleでアガサ・クリスティーの『ゴルフ場殺人事件』を買って(パラパラ眺めていた雑誌に載っていたので、つい)、一晩で読んでしまいました。電子書籍の買い物はジャケ買いに近いような気もするけれど、ただ中身が読めれば良い、という点でやはり紙の書籍とは決定的に異なる感触です。やはり所有している感覚がないため、今一つ愛着がわきにくい。 ということで、紙の本を直感で選んでみるというこの企画はちょっと楽しみでもありました。今回、ジャケ買いの場所に選んだのは青山ブックセンターです。
30分くらいは店内を巡回しようかな、と思いながらエスカレーターを降りて店に入った瞬間、一冊の本の表紙に描かれたキャラクターと目が合い、かわいらしいイラストと印象的なタイトルに惹かれて、開始数秒で購入を決めてしまいました。
その本がコチラ。
ちなみに青山ブックセンターのカバーはこんな感じで、おしゃれです。
タイトルは「オッス!食国 美味しいにっぽん」。「食国」の横に書かれた「おすくに」というふりがな、聞いたことのない言葉です。お恥ずかしいことに買った後に気が付いたのですが、イラストを描かれていたのは漫画家のスケラッコさん。スケラッコさんの「盆の国」という漫画、持っていました。
お盆の時期になるとご先祖様の姿が見える主人公が、1日が繰り返される世界に閉じ込められて‥‥‥、というお話で、とても面白い作品です。
それはさておき、青山ブックセンターさんの入り口スペースには、独自のセレクトで様々なジャンルの本が並べられており、そこだけでも面白そうな本がたくさんあります。場所柄か、デザインやアート系の書籍が充実している印象です。(印刷関係の本もたくさん!)
写真集の棚がこんなに充実している本屋さんって、そんなに多くないと思います。
少し前にセバスチャン・サルガドの写真集『GENESIS』を買ったのも青山ブックセンターでした。こういう本が自然に並んでいる本屋さんがもっと増えると楽しそうですね。
さて、「オッス!食国 美味しいにっぽん」はどんな本かというと、序章に「この本の見取り図」という項目が設けられており、そこにこんなことが書かれていました。
■期待していいこと
・食を通して日本の歴史の起源に触れる
・日常的に食べている食材の製法と起源がわかる
・日本における食と信仰の関りについてざっくりわかる
■期待しないほうがいいこと
・和食の歴史を体系的に学ぶ
・日本の食材を網羅的に知る
ここだけ読むと何だか小難しそうな本かと思われるかもしれませんが、書体や余白、イラストの入れ方、といった本全体の構成が素晴らしいのか、とても読みやすくてかなり面白い本でした。目次の書体が丸ゴシック系でかわいらしく、読み始めてすぐに親しみやすさもわいてきます。各章の参考文献紹介は写真付きで分かりやすく、テキストも短めで読みやすい。
歴史や民俗学といった専門的な分野を横断しながら日本の食の秘密に迫るという内容で、結構勉強にもなります。とにかく文章が読みやすいのもいいですね。
例えば第4章の「おすし」。普段おすしを食べているときに、その起源ってどこにあるんだろう、なんてことは考えたこともなかったのですが、普段何気なく接している食事の歴史を紐解いていくのもなかなか面白い。「酸っぱい」という感覚がいつから美味しさへと変化していったのか? などなど、興味深い話題が満載です。
著者の小倉ヒラクさんの肩書は発酵デザイナー。発酵にまつわる様々な本を書かれており、発酵・微生物をテーマとしたプロジェクトを展開していらっしゃいます。
さて、タイトルにもなっている「食国」とはそもそも何なのか。
少しでも気になった方は、是非読んで確かめてください!
■本日のジャケ買い
『オッス!食国 美味しいにっぽん』 著者:小倉ヒラク 版元:KADOKAWA 判型:四六判 頁数:256ページ/モノクロ 印刷:旭印刷 製本:本間製本 価格:1500円+税
日本印刷株式会社のsoyogo編集部を中心に構成されたチームです。最終的に何人になるかは未定。