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ジャケ買い!! ~本を装丁だけで買ってみる~ 可愛らしくも美しい佇まい

soyogo編集部

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訪問した書店:ジュンク堂書店 池袋本店
ジャケ買いしたひと:某出版社の編集者 塵芥(ちりあくた)

 第1回となる「ジャケ買い」企画。あんまりルール的なものも定まっていないようなのですが、編集部からお願いされたのは『書店』に行って『グッ』ときた『本』を購入してください。ジャンルや内容はあまり考慮せずに、レコードやCDのジャケ買いのように、装丁だけで購入判断してもらえると助かります‥‥‥とのこと。

 書店で本を選ぶ最大のメリットって、手にとって中をパラ見できることだと思うので、装丁だけで購入決めるという縛りは無理じゃね、とも思いましたが‥‥‥企画そのものは面白そうなので、とりあえずやってみることにしました。申し遅れましたが、塵芥(ちりあくた)と申します。ペンネームで書かせてもらっていますが、本業は小さな出版社の編集者です。ちょっとした編集者目線のお話もできたらよいかな、と思っておりますのでよろしくお願いします。

 さて、好きな書店で良いとのことなので、東京で一番大きい書店「池袋ジュンク堂本店」にやってまいりました。池袋ジュンク、好きな人多いですよね。ただ広いだけでなく、立ち読みOK・座り読みOK(座り読み用の椅子あり)で、とにかく快適な書店です。SNSアカウント(X a.k.a Twitter)も、本店以外に、人文書、理工書、児童書、コミック、雑誌‥‥‥と、ジャンル別にあって情報発信が細かく、専門性が高いのも特徴。どんな新刊を池袋ジュンクが推しているのか、何が売れ線なのか、編集者としての情報収集先として重用しています。

 「ジャケ買い」ですので、面陳されているか、平積みされている本を中心に物色していきます。ベストセラー本や売れ筋の本は平積みされるのが必然。どこの書店でもよく見かける面々ですので、ここでグッとはなかなかこない。とはいえ、新刊で面白そうな本を何冊か発見。『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? 小野寺 拓也 (著)・ 田野 大輔 (著)(岩波書店)』、うん普通に読みたいけど、これは内容が面白そうという判断基準なので(たぶん)ルール違反。『イラク水滸伝 高野 秀行 (著)(文藝春秋)』も面白そうだけど、著者の高野先生といえば、早稲田大学探検部時代に書いた名著『幻獣ムベンベを追え』をはじめ『ワセダ三畳青春記』など、20年前からちょこちょこ読んでる好きな作家だから、こういう判断での購入も「ジャケ買い」では無いわけで‥‥‥うーん、難しい。

となると、普段はあまり足を運ばないフロアに行ったほうが「ジャケ買い」遭遇率が上がりそうなので、7階理工書フロアにチャレンジ。ChatGPTとかの売れ線棚を横目に、奥地の農業・生物学エリアに侵入。さすが池袋ジュンクといったところでしょうか、

面陳されている本はどれも雰囲気ありますし、
棚の担当者がしっかりと選書している感じが伝わってきます。
そろそろ‥‥‥決めないと‥‥‥かれこれ3時間は書店にいるんだが‥‥‥と思っていたら



ありましたー! 

写真:池袋ジュンク堂 @junkuike_riko

タネです。種。
書店だからって本しか売らないなんてナンセンス。何が置いてあってもいいのです。

しかも、伝統野菜・固定種の野口のタネです! 固定種というのは「固定された形質が親から子へ受け継がれる種」とのこと。言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごい種ってことだ!

というわけで、今回のジャケ買いは‥‥‥「アマランサス」!
もち麦の次に来る(であろうと勝手に推測している)驚異の穀物。美容・健康・ダイエットに最適。お米に混ぜて炊くだけでOK! 最先端オーガニック健康マンが大好きなこれにしました!

だと絶対に怒られるよなぁ‥‥‥。
ちゃんと探そう。

ちなみに池袋ジュンクさんでは、数年前からこの種コーナーがあって、家庭菜園を営む読書人の間では常識スポットだったのかもしれません。気を取り直して改めて7階を再探索‥‥‥。

そして、後ろを振り返ると彼女がいました。

文庫本サイズで上製本。カバーには箔押し。なんと可愛らしくも美しい佇まいでしょうか。
書名は「小さな草花の本」(リベラル社)です。
手にとって中身をパラッと見てみると、写真はもちろんのことイラストもふんだんで、中面もフルカラー。ページ数も256ページあって背幅は約2センチくらいでしょうか。しかもこの造りでお値段が1400円+税という良心価格。
まったく草花には興味がないアラフォーおじさんですが、文庫サイズ上製という装丁周りでズキューンときて、ジャケ買い決定です!

(見つかってよかった‥‥‥)

■本日のジャケ買い

『小さな草花の本』
 著者:草花さんぽの会(編集)
 版元:リベラル社
 判型:A6文庫版
 頁数:256ページ/オール4C
 製本:上製
 価格:1400円+税

(第1回 おわり)

soyogo編集部(そよごへんしゅうぶ)

日本印刷株式会社のsoyogo編集部を中心に構成されたチームです。最終的に何人になるかは未定。

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