dao-dao(ソヨゴ編集部)
日本印刷社員。soyogoとhon amiという2つの新ブランドを立ち上げて、事業を軌道に乗せるべく日々試行錯誤を続けながら、土日は子守りに奮闘中。
2020年7月某日
さて、2020年7月からチームが編成され、本格的に動き始めました。
メンバーは私と、30代半ばのO氏、20代半ばのTaroの3名です。
全員男というのがやや不満でしたが、とにかくやるしかありません。
毎日夕方、時間を決めて3人で集まり、アイデアを出し合うことになりました。
当時のわが社には物置と化した小さな打ち合わせスペースが存在しており、
そのゴミ置き場のような場所を「会議室」と名付け、毎日3人で集まっていました。
たまに探し物にやってくる社員から不審そうに見られながらも、
心を強く持って、とにかくひたすら会議です。
ある日、アニメ好きの女性社員から「声優」というアイデアが出てくると、
アニメに一家言あるO氏は「声優は根強いファンが多いですからね。いけるかもしれません」とやや前のめりに。なるほど、声優の大型写真集か、まったく知らない世界だが面白いかも、と思い、ある人気声優さんの事務所にこの企画を持ちかけました。スタッフの方から、スケジュールが詰まっているので、とご丁寧な辞退の連絡が入ってあっけなく撃沈したのですが、そもそも、ワケの分からない印刷会社から何も決まっていない状態の企画を持ち掛けられて、GOサインが出るわけもありません。まあ、最初だから、こんなもんでしょ、と気を取り直して、さらにアイデアを出し合うことにしました。
ゴミ置き場の会議室では、とにかくボツ案をたくさん出そう、
ということでひたすら案を出し合い続けました。
・ドイツのSUMO BOOKに対抗して、ホンモノの力士の大型写真集
・階段マニアに向けた全国の階段大型写真集
・夜空に輝く花火の大型写真集
・夜空に輝く星座の大型写真集
・大きいといえば重機、ということで重機の大型写真集
・昆虫の足の付け根まで楽しめる昆虫大型写真集
・手塚治虫の漫画って、大きくすると面白いかも?
などなど、
たくさんの案が出ては消え、試行錯誤が続きましたが、
最終的に、やはりアートがいいのでは、という結論に。
ふと頭に浮かんだのは、昔見た現代美術家・大竹伸朗さんの個展です。
『大竹伸朗 全景 1955-2006』と題された大回顧展だったのですが、
東京都現代美術館の空間を大胆に利用して迫力のあるアート作品が並んでいるのは壮観でした。
大判で分厚い図録もとても魅力的で、大竹伸朗さんの作品のエネルギーを表現するのにふさわしい書籍になっていると感じました。この図録のことを思い出し、やはり大きな本にはアートがぴったりなのでは、と改めて思ったのです。
また、スマホで見ることが多くなった写真も、大判で見るときっと楽しいはず。
特に自然写真は迫力があるのでは、と考えました。
雄大な自然や動物の姿を大型の写真集で楽しみたい、
絵画の筆の動きまでが見える作品集が出来たら面白いのでは、などなど。
写真家や画家が魂を込めた作品こそ、大型本で表現するのにふさわしいと確信するようになりました。
とはいえ、何のコネクションもない印刷会社に何ができるのか、わかりません。
アートというテーマが決まったその日から、必然的に印刷・製本は最高レベルの技術がふさわしいと考え、同時に作家探しの旅も始まったのです。
次回、そもそもどんなブランドにするのか?をお届けします!
日本印刷社員。soyogoとhon amiという2つの新ブランドを立ち上げて、事業を軌道に乗せるべく日々試行錯誤を続けながら、土日は子守りに奮闘中。