soyogo編集部
日本印刷株式会社のsoyogo編集部を中心に構成されたチームです。最終的に何人になるかは未定。
訪問した書店:旭屋書店 志木店
ジャケ買いしたひと:M
新年度を迎え、街もすっかり春めいてまいりました。自宅の観葉植物たちは一斉に新芽を出しはじめ、飼育している金魚も伸び伸びと元気に泳ぎ回っています。自然と前向きな気持ちにさせてくれる、生命の息吹に満ち満ちた季節ですね。
soyogoで不定期連載中の「ジャケ買い!!」。今回は、日本印刷の新人校正者Mが担当いたします。朝から晩まで机に向かって印刷物・出版物のチェックをしつつ、眠気と戦ったり、集中力が切れたらチョコレートを貪ったりする日々を送っています。
校正者の仕事とは「著者の伝えたいことが読み手に正確に伝わる文章」の構築をお手伝いすることだと思っています。誤字・脱字・衍字(えんじ)、体裁等のチェックのみならず、意図せず使用された差別表現・不快表現等を拾い、お客様の社会的信用をお守りすることも重要な仕事の一つ。私はまだまだ未熟者なので、こういった本を読んで差別や社会問題について勉強しています。
最近は政治・社会系の本でも、ラフで手に取りやすい表紙が増えてきました。堅苦しい表紙だったら読んでいないかも‥‥‥と思うと、装丁が与える印象の重要さを実感します。
さて先日、地元の旭屋書店さんを訪問したときのことです。気に入った著者の本を棚の端から買い漁ることが趣味なので、大好きな小川洋子氏のコーナーを眺めながら「これ読んだっけ? 買ったけど読んでないんだっけ?」と混乱していたところ、ふと目に入ったのが平積みエリアの一角。
一目惚れしました。角川文庫の「100分間で楽しむ名作小説シリーズ」です!
シリーズ第一弾はこちらの10冊。古典名作のみならず、現代の名作小説もラインナップされています。
その名の通り、100分程度で読み終わる名作を集めた特装版。あえて短編・中編のみに絞ることで、気軽に読み始められるようなページ数にしているようです。また、読みやすさを重視して大きな字と広い行間で組まれているとのこと。「活字が苦手」「ゆっくり読む時間が取れない」「集中力が続かない」‥‥‥と思って読書から遠ざかっている人にこそ、ぜひ手にとってほしいシリーズです。
全部ほしいな~と思いつつ、お財布と相談してこの4冊を購入。
表紙には、デザイナーである上野リチ=フェリーツェ・リックス氏の作品(京都国立近代美術館蔵)が採用されています。ファンシーペーパーの柔らかい質感も、繊細な花のイラストとマッチしていて素敵です。箔押しが醸し出す高級感と特別感も堪らないですね。まるで、ちょっといい洋菓子の貼り箱みたいな上品なデザイン! 本を開くときのワクワクがより一層高まる感じがします。
こんな最高な本が自分の生活の一部に加わってくれたのかと思うと、嬉しくてずっと眺めてしまいます。電車やカフェでこれみよがしに読んじゃいたい。電子書籍では決して味わえない喜びです。これぞ紙の本の醍醐味!
実をいうと私、この「プレミアムカバー」系に目がないんです。これまでもさまざまな「プレミアムカバー」をジャケ買いしまくっています。例えば‥‥‥。
単色+箔押しのシンプルなものや、人気バンド、てぬぐい店とのコラボなど、意匠を凝らしたオシャレで個性的な装丁がたくさん! ついつい集めたくなります。
個人的に、古典文学は特有の堅い言い回しが苦手で敬遠しがちなのですが、こういった可愛い装丁の「とっつきやすさ」のおかげで、つい手が伸びます。名作に触れるキッカケなんて「なんか表紙が可愛いから」でいいんだな、と思えるところも魅力の一つです。
読めば面白いし、部屋に置いておけばオシャレだし、一石二鳥なプレミアムカバー! みなさんもぜひ手に入れて、電車やカフェでこれ見よがしに読んでくださいね。
■本日のジャケ買い
角川文庫の「100分間で楽しむ名作小説」
https://kadobun.jp/kadokawa-bunko/100min-meisaku.html
『宇宙のみなしご』 著者:森絵都
『走れメロス』 著者:太宰治
『人間椅子』 著者:江戸川乱歩
『夜市』 著者:恒川光太郎
(4冊共通)
版元:角川文庫
判型:文庫判
印刷:(株)暁印刷
製本:本間製本(株)
価格:660円(税込み)
日本印刷株式会社のsoyogo編集部を中心に構成されたチームです。最終的に何人になるかは未定。