dao-dao(ソヨゴ編集部)
日本印刷社員。soyogoとhon amiという2つの新ブランドを立ち上げて、事業を軌道に乗せるべく日々試行錯誤を続けながら、土日は子守りに奮闘中。
取材当日、都内の某社前で乗代さんと待ち合わせることに。道を間違えて、乗代さんから「今どこにいます?」と電話がかかってきてしまう失態を演じながら、何とか取材先にたどり着きました。
ご対応してくれたのはこの会社の取締役の男性Sさん。現役時代は会社と現場を行き来していた非常に快活な方で、乗代さんとの話も盛り上がり、いろいろなお話を聞かせていただきました。
今回の小説とはあまり関係ないネタでいうと、浚渫業界も労働時間は大きなテーマだそうです。今後、法律での規制が厳しくなる中、どうやって仕事を回していくのか、そして人材不足にどう対応するのか、といったことが大きな課題となるようで、どの業界も悩みはおんなじだ! と感じました。
とにかく自然が相手なので、天候に左右されることもよくあるらしく、お話を聞けば聞くほど、浚渫という仕事の大変さが分かってきました。
3時間ほどお話をしたのち、とにかく現場を見てみましょう、ということになり、後日、九十九里浜に連れて行っていただくことに。
現地取材の出発当日、某社前に皆さんと集合して、Sさんの運転する車でいざ九十九里へ。この日は朝から天気が悪く、浚渫船を出せるかどうかは微妙なところだ、とのこと。
お昼ごろに現地に到着し、車は海岸線を走り抜けます。冬の海は少し寂しい雰囲気もありますが、見晴らしがよく気持ちのいい景色が広がります。海岸近くのお店に入り、いわし料理てんこ盛りの美味しい定食をみんなで食べてから、いよいよ取材開始です。
港のそばを歩いていると、前方に3本の柱がそびえたつ不思議な形をした船が停泊しています。
これが浚渫船か!
と、実物を目の前にして少し感動してしまいました。
到着してからも天候が悪く、やはり浚渫の仕事はできないとのこと。ただ、そのおかげで船に乗ることができ、内部をいろいろと案内してもらいました。
最初に案内された部屋には、8人掛けくらいのテーブルとガスコンロ、電子レンジ、食器棚‥‥‥、と生活感あふれるアイテムがそろっていて、この船のリビング、といった趣です。
船員室が並ぶ細い通路を歩き、急な階段を昇り、甲板に出ると目の前に「グラブバケット」が! 「グラブバケット」とは、土砂を掬う巨大な装置です。目の前で見ると、かなりデカい!
さらに操縦室にも案内していただき、「クレーンは両手両足を使って操縦するんです」といったことを船員の方に教えていただきました。
冬の海風が吹くなか、船上で取材を続ける乗代さん。かなり詳細にメモを取られていたり、写真を撮ったり、と充実した取材ができたようで、安心しました。
乗代さんは現地に宿泊して翌日も歩き回りながら取材されるとのこと。そこで乗代さんが見た光景は小説にもしっかりと描かれています。
船員の皆さんもとても丁寧にご説明していただき、ここでお名前を出すことはできませんが、本当にありがとうございました!
無事に港での取材を終えた帰り道、Sさんが買い物をするために車を止めたときのことです。
「あ、虹」と誰かが叫び、みんなで車を降りて空を見上げると、ずっと曇天で小雨も降っていた九十九里の空に、大きな美しい虹がかかっています。この企画のスタートを祝福するかのように出現した虹はなかなか壮観で、みんなでバシャバシャと写真を撮り、冬の海岸を後にしたのでした。
そして数か月後、この地にやってきた小説家の春諏訪石句と大学生の宮守森一。このふたりが九十九里でどんなドラマを繰り広げるのか。是非、第1話「九十九里の浜をゆけ」をお楽しみください!
(つづく!)
日本印刷社員。soyogoとhon amiという2つの新ブランドを立ち上げて、事業を軌道に乗せるべく日々試行錯誤を続けながら、土日は子守りに奮闘中。